店舗・施設が複数あるサイトの情報更新を楽にする設計
飲食店、シニア向け施設、商業施設など、複数の店舗・拠点を展開している企業のサイトでは、単一店舗のサイトとは異なる更新の悩みが出てきます。「店舗ごとに営業時間を変更するたびに、該当ページを一つずつ探して修正している」「新店舗を追加するたびに、既存ページを複製して作り直している」といった状態に心当たりはないでしょうか。
店舗数が増えるほど、こうした更新作業の負担は比例して大きくなっていきます。この記事では、多拠点展開のサイトで情報更新をスムーズに行うための設計の考え方を紹介します。
多拠点サイトで起こりがちな更新の悩み
1. 店舗ごとにページがバラバラに管理されている
店舗ページを一つずつ個別の固定ページとして作成していると、デザインや項目の構成が店舗ごとに微妙に異なってしまったり、共通して変更したい項目(問い合わせ先の表記など)を店舗数分、個別に修正する必要が出てきたりします。
2. 新店舗の追加・閉店時の作業負担が大きい
新しい店舗がオープンするたびに、既存ページを複製して作り直す運用をしていると、作業の手間がかかるだけでなく、項目の入れ忘れや表記のブレが起きやすくなります。
3. 一覧ページとの連動が取れていない
店舗一覧ページと、個別の店舗ページが別々に手作業で管理されていると、新店舗を追加した際に一覧側への反映を忘れてしまう、といったミスが起こりやすくなります。
情報更新を楽にする設計の考え方
1. 店舗情報を「カスタム投稿タイプ」として管理する
店舗ごとのページを通常の固定ページとして個別に作るのではなく、「店舗」という専用の情報の型(カスタム投稿タイプ)を用意し、そこに各店舗の情報を登録していく設計にすることが基本の考え方です。
この設計にしておくことで、次のようなメリットが生まれます。
- 店舗を新規追加する際は、用意された入力フォームに情報を入力するだけで、デザインの整ったページが自動的に作成される
- 店舗一覧ページも、登録された店舗情報から自動的に生成されるため、一覧への反映漏れが起きない
- 店舗ごとのページのデザイン・構成が統一され、表記のブレが起こりにくくなる
2. 店舗ごとに入力する項目をあらかじめ決めておく(カスタムフィールド)
店舗名・住所・電話番号・営業時間・定休日・アクセス方法・地図といった項目を、あらかじめ入力欄として用意しておくことで、担当者は用意された枠に情報を入力するだけで、統一感のあるページを作成できるようになります。
自由記述の文章だけで管理していると、店舗ごとに書き方がバラバラになりがちですが、項目を決めておくことで、どの店舗ページでも同じ形式・同じ順番で情報が整理されます。
3. 共通する情報と、店舗ごとに異なる情報を分けて管理する
例えば「会社概要」や「お問い合わせ窓口」のように全店舗共通の情報と、「営業時間」や「アクセス方法」のように店舗ごとに異なる情報は、分けて管理する設計にしておくと効率的です。
共通する情報を同期パターン(旧:再利用ブロック)などの仕組みで管理しておけば、共通情報を変更したい場合に1か所を修正するだけで、すべての店舗ページに反映されるようになります。
4. エリア・カテゴリごとに分類できるようにする(タクソノミー)
店舗数が多い場合、「エリア」や「業態」といった分類(タクソノミー)を設定しておくことで、閲覧者が自分の近くの店舗や、目的に合った店舗を絞り込みやすくなります。これは、前回紹介した「絞り込み検索」の考え方とも関連する部分です。
5. 地図・位置情報と連動させる
店舗ごとに住所を入力するだけで、地図上に自動的にピンが表示される仕組みにしておくと、担当者が地図の埋め込みコードを個別に調べて設置する必要がなくなります。京都観光サイトの実績のように、位置情報を活用した設計は、複数拠点を扱うサイトとの相性が良い機能です。
更新担当者がさらに迷わないための工夫
入力例・注意事項を画面内に表示する
「営業時間はこの形式で入力してください」「電話番号はハイフンありで入力してください」といった注意事項を、入力欄の近くに表示しておくことで、担当者が入力のたびにマニュアルを確認する手間を減らせます。
臨時休業・特別営業時間を設定しやすくする
台風や年末年始など、通常とは異なる営業時間を一時的に表示したい場面は、多拠点展開企業では頻繁に発生します。通常の営業時間とは別に、期間限定で表示できる「お知らせ」欄を店舗ごとに用意しておくと、担当者がその都度ページ全体を編集し直す必要がなくなります。
権限を店舗担当者ごとに分ける
複数の店舗担当者が更新に関わる場合、それぞれが自分の店舗情報だけを編集できる権限設定にしておくことで、誤って他店舗の情報を変更してしまうといったミスを防げます。権限の分け方は、サイトの規模や運用体制に応じて検討するとよいでしょう。
導入にあたって整理しておきたいこと
多拠点サイトの更新しやすさを設計するにあたっては、事前に次のような点を整理しておくと、より実態に合った設計がしやすくなります。
- 現在、店舗情報にはどのような項目があるか(共通項目・店舗固有の項目)
- 誰が、どのくらいの頻度で、どの情報を更新するか
- 今後、店舗数が増える見込みはあるか
- エリアや業態など、閲覧者が店舗を探す際にどんな軸で絞り込みたいか
これらを洗い出しておくことで、「とりあえず作ってみたものの、運用が始まったら使いにくかった」という事態を防ぎやすくなります。
すでに運用中のサイトを改善したい場合
すでに店舗ページを個別に管理しているサイトであっても、次のような対応で段階的に改善できる場合があります。
- 既存の店舗ページの情報を整理し、カスタム投稿タイプへ移行する
- 共通する情報を洗い出し、再利用できる仕組みに置き換える
- 店舗一覧ページを、登録された店舗情報から自動生成される形に変更する
サイトを作り直すのではなく、部分的な改修で運用の負担を軽減できるケースも多くあります。
まとめ
複数店舗・施設を展開するサイトでは、情報の持たせ方次第で、日々の更新負担が大きく変わります。
- 店舗情報はカスタム投稿タイプとして一元管理する
- 入力項目をあらかじめ決めておき、担当者が迷わず入力できるようにする
- 共通情報と店舗固有の情報を分けて管理する
- エリア・業態での分類や、地図との連動も検討する
- 臨時休業など、一時的な情報更新がしやすい仕組みを用意する
店舗数が増えるほど、「仕組みで解決できているかどうか」の差が、日々の運用負担として表れてきます。事業の拡大を見据えて、早い段階から更新しやすい設計を検討しておくことをおすすめします。
「多店舗サイトの更新負担を軽減したい」「店舗管理の仕組みから設計を相談したい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。