標準検索を「使えるレベル」にカスタマイズする方法
大学サイトや不動産サイト、屋根工事会社のような施工事例を多数掲載するサイトなど、ページ数が多いサイトにとって、検索機能は閲覧者が目的の情報にたどり着けるかどうかを左右する重要な役割を持っています。
ところが、WordPressに標準で搭載されている検索機能は、実はかなりシンプルな作りになっており、ページ数が増えてくると「検索しても欲しい情報にたどり着けない」という問題が起こりやすくなります。この記事では、標準検索の限界と、実務で使えるレベルまでカスタマイズする際の考え方を解説します。
WordPress標準検索でできること・できないこと
WordPressの標準検索機能は、投稿タイトルや本文に含まれる文字列と、検索キーワードが一致するかどうかを調べる、シンプルな仕組みになっています。
標準検索でできること
- 投稿・固定ページのタイトルや本文から、キーワードに一致するものを探す
- 検索結果を、基本的には新しい投稿順に一覧表示する
標準検索が苦手なこと
- あいまいな表記のゆれに対応できない:例えば「マンション」と「まんしょん」、送り仮名の違いなどを同じ意味として扱うことができません。
- 関連性の高い順に結果を並べることが苦手:検索キーワードとの関連度が高いページを上位に表示する、といった精度の高い並び替えは標準機能では対応していません。
- カスタムフィールドの内容が検索対象に含まれない:物件情報や施工事例のように、本文とは別の入力欄(カスタムフィールド)に情報を格納している場合、標準検索ではその内容が検索対象外になってしまいます。
- 絞り込み検索(条件を組み合わせた検索)ができない:「エリア」と「価格帯」を組み合わせて探す、といった条件検索には対応していません。
ページ数が少ないうちはあまり問題になりませんが、掲載件数が増えるほど、これらの限界がユーザー体験に直結してくるため、多くのページを抱えるサイトでは何らかのカスタマイズが必要になってきます。
カスタマイズのアプローチ
標準検索を実用レベルまで引き上げる方法は、主に次の2つのアプローチに分けられます。
1. プラグインを使って検索精度を高める
検索機能を強化する専用のプラグインを導入することで、検索対象の拡大や、検索結果の並び替え精度の向上といった改善が見込めます。プラグインによっては、カスタムフィールドの内容も検索対象に含められるようになるものもあります。
メリット:比較的低コストで導入でき、管理画面上の設定で完結する場合が多い 留意点:高度な条件検索や、独自の絞り込み機能までは対応しきれない場合がある
2. 独自にプログラムを実装して検索機能を作り込む
サイトの特性に合わせて、検索の対象範囲や絞り込みの条件、並び替えのロジックなどを独自に設計・実装する方法です。
メリット:サイトの内容(不動産の物件情報、採用の職種情報など)に合わせて、必要な条件での絞り込み検索や、専門的な要件に対応した検索機能を実現できる 留意点:プラグインを使う場合に比べて、設計・実装にかかる工数は大きくなる
掲載件数が多く、かつ「エリア」「価格帯」「職種」といった独自の条件で絞り込みたいニーズが強いサイトほど、独自実装によるカスタマイズが効果を発揮しやすい領域です。
検索機能を設計する際に押さえておきたい視点
1. 閲覧者がどんな条件で探したいかを洗い出す
検索機能を作り込む前に、「閲覧者は、どんな軸で情報を絞り込みたいと考えているか」を整理することが出発点になります。
- 不動産サイトであれば「エリア」「価格帯」「間取り」など
- 求人サイトであれば「職種」「勤務地」「雇用形態」など
- 施工事例サイトであれば「工事の種類」「地域」「予算感」など
こうした軸を洗い出したうえで、検索・絞り込みの条件として何を用意するかを設計します。
2. 検索結果の並び順を考える
単純に新しい順に並べるだけでなく、「おすすめ順」「価格が近い順」など、コンテンツの特性に合わせた並び替えの選択肢を用意すると、利便性が高まります。
3. 検索結果が0件だった場合の表示を工夫する
条件を絞りすぎて該当する情報がない場合、「該当する情報がありません」とだけ表示するのではなく、条件を緩めるための案内や、関連する他の情報への導線を用意しておくと、閲覧者の離脱を防ぎやすくなります。
4. カスタムフィールドの情報を検索・絞り込みの対象に含める
物件情報や施工事例のように、本文とは別の入力欄に情報を整理して格納している場合、その情報を検索・絞り込みの対象に含める設計が重要になります。単に本文中の文字列を検索するだけでは、こうした構造化された情報をうまく活用できません。
実装を検討する際の進め方
独自の検索機能を実装する場合、一般的には以下のような進め方になります。
- 要件を整理する:どんな条件で検索・絞り込みをしたいか、想定される掲載件数、将来的な項目追加の可能性などを整理します。
- データの持たせ方を設計する:カスタム投稿タイプ・カスタムフィールドを使って、検索対象となる情報をどのように整理して格納するかを設計します。
- 検索・絞り込みの処理を実装する:整理されたデータをもとに、条件に応じた絞り込みや並び替えができるようプログラムを実装します。
- 表示画面(検索結果一覧)を設計する:検索結果が見やすく、次のアクション(問い合わせ・詳細確認など)につながりやすい表示にします。
このように、検索機能のカスタマイズは、単に「検索窓を強化する」だけでなく、サイト全体の情報設計と密接に関わる作業であるため、掲載する情報の構造からあわせて検討することが望ましいです。
まとめ
WordPress標準の検索機能は、ページ数の少ないサイトであれば十分に機能しますが、掲載件数が増えるにつれて、あいまい検索への対応や絞り込み機能の不足といった限界が見えてきます。
- プラグイン導入による精度向上と、独自実装による作り込みの2つのアプローチがある
- 閲覧者がどんな条件で情報を探したいかを洗い出すことが設計の出発点
- カスタムフィールドの情報も検索・絞り込みの対象に含める設計が重要
- 検索機能はサイト全体の情報設計と切り離せない
大学・不動産・施工事例など、掲載件数が多く条件検索のニーズが強いサイトほど、標準検索のままでは閲覧者の使い勝手に影響が出やすい領域です。自社サイトの規模や情報の性質に合わせて、必要なカスタマイズのレベルを見極めることが大切です。
「検索機能の強化を相談したい」「独自の絞り込み検索を実装したい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。