更新担当者が迷わない管理画面の作り方
サイトを制作会社に依頼して完成させても、そこで終わりではありません。むしろ、サイトが公開されてからが本当のスタートで、日々の情報更新は自社の担当者が行っていく、というケースがほとんどです。
しかし実際には、「どこを編集すればいいのか分からない」「更新するたびに制作会社に確認しないといけない」「担当者が変わるたびに一から教え直しになる」といった声もよく聞かれます。こうした問題の多くは、サイトを作る段階で「更新しやすさ」まで設計されていないことが原因です。この記事では、更新担当者が迷わずに運用できる管理画面を作るための考え方を紹介します。
なぜ「更新しやすさ」の設計が重要なのか
サイト制作において、見た目のデザインや機能面に注目が集まりがちですが、公開後に実際にサイトを触るのは、多くの場合エンジニアではなく現場の担当者です。管理画面が分かりにくいままだと、次のような問題が起こりやすくなります。
- 更新のたびに問い合わせが発生し、制作会社側にも運用側にも負担がかかる
- 担当者の異動・退職のたびに、引き継ぎに時間がかかる
- 「よく分からないから」と更新が後回しにされ、サイトの情報が古いまま放置される
管理画面の使いやすさは、公開後のサイト運用の質そのものを左右する要素だと言えます。
更新担当者が迷わない管理画面を作るポイント
1. 編集できる範囲を必要な分だけに絞る
WordPressの管理画面は、標準の状態だと非常に多くの設定項目が並んでいます。日常的な更新作業しか行わない担当者にとっては、普段触る必要のない項目が目に入ること自体が、迷いや不安の原因になります。
ユーザーの権限(ロール)を適切に設定し、更新担当者には必要な操作だけができる権限を与えることで、画面がシンプルになり、操作ミスも減らせます。
2. カスタムフィールド・カスタム投稿タイプで「入力する場所」を明確にする
自由に文章を入力できる通常の投稿編集画面は柔軟な反面、「どこに何を書けばいいか」が担当者によってバラつく原因にもなります。
例えば「店舗情報」を複数掲載するサイトであれば、店舗名・住所・営業時間・電話番号といった項目を、あらかじめ入力欄として用意しておく(カスタムフィールド・カスタム投稿タイプとして設計する)ことで、担当者は用意された枠に情報を入力するだけで、表示崩れの心配なく更新できるようになります。
3. 入力例・注意事項を管理画面内に表示する
「この項目には、こういう内容を、こういう形式で入力してください」といった説明を、入力欄の近くに表示しておくと、担当者がマニュアルを都度確認しなくても、画面を見ただけで迷わず入力できるようになります。WordPressの多くの入力項目には、こうした説明文(補足テキスト)を追加できる仕組みが用意されています。
4. 画像サイズ・比率のルールを明確にしておく
「どんな画像でも自由にアップロードできる」状態は、一見便利に思えますが、実際にはサイズや比率がバラバラな画像がアップロードされ、レイアウトが崩れる原因になりがちです。
推奨する画像サイズや比率を管理画面内に明記しておく、あるいは自動的にトリミング・リサイズされる仕組みを組み込んでおくことで、担当者が画像編集の知識を持っていなくても、統一感のある見た目を保てます。
5. 更新頻度の高い項目ほど、シンプルな導線にする
「よく更新する情報」ほど、たどり着くまでの手順を短くしておくことが重要です。例えば、頻繁に更新するお知らせ機能などは、管理画面のトップに近い、分かりやすい場所からすぐアクセスできるようにしておくと、日々の作業負担が軽減されます。
6. マニュアルは「文章」よりも「画面のスクリーンショット付き」で用意する
文章だけの操作マニュアルは、実際の画面と照らし合わせながら読む必要があり、担当者にとって負担が大きくなりがちです。実際の管理画面のスクリーンショットに矢印や注釈を加えたマニュアルを用意しておくと、直感的に理解しやすくなります。
制作段階で決めておきたいこと
管理画面の使いやすさは、サイト公開後に大きく作り変えるのが難しい部分でもあります。そのため、制作の初期段階で、以下のような点を制作会社とすり合わせておくことをおすすめします。
- 更新担当者は誰で、どのくらいのITスキルを想定するか
- どの情報を、どのくらいの頻度で更新する予定か
- 複数人で更新する場合、権限をどう分けるか
- 将来的に情報の項目(店舗数、サービス数など)が増える可能性はあるか
これらを事前に共有しておくことで、「担当者が迷わず使える管理画面」を見据えた設計がしやすくなります。
すでに運用中のサイトを改善したい場合
すでに公開しているサイトであっても、以下のような対応で管理画面の使いやすさを改善できる場合があります。
- 権限設定を見直し、担当者ごとに必要な操作だけができるようにする
- よく発生する更新作業について、カスタムフィールドなどを追加して入力しやすくする
- 既存のマニュアルを、スクリーンショット付きの分かりやすい形に作り直す
「今のままでは運用しづらい」と感じている場合は、サイトを作り直すのではなく、部分的な改善で対応できるケースも多くあります。
まとめ
更新担当者が迷わない管理画面は、偶然できあがるものではなく、「誰が」「何を」「どのくらいの頻度で」更新するのかを見据えて設計することで実現します。
- 権限設定で、担当者が触る範囲をシンプルにする
- カスタムフィールドなどで、入力する場所を明確にする
- 説明文やマニュアルで、迷わず入力できる状態を作る
- 更新頻度の高い項目ほど、シンプルな導線にする
サイト制作の際は、デザインや機能だけでなく、「公開後、誰がどう運用していくか」まで見据えて設計することが、長く使いやすいサイトにつながります。
「更新しやすい管理画面の設計から相談したい」「既存サイトの運用改善をしたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。