常時SSL化(HTTPS化)のやり方と注意点
ブラウザでサイトを開いたとき、アドレスバーに鍵マークが表示されているサイトを見たことがあるかと思います。これは、そのサイトが「SSL化(HTTPS化)」されている印です。
現在では、企業サイトを含む多くのWebサイトで、サイト全体をSSL化する「常時SSL化」が標準的な対応となっています。この記事では、常時SSL化とは何か、その必要性、そしてWordPressサイトを常時SSL化する際の手順や注意点を解説します。
SSL化(常時SSL化)とは
SSLとは、Webサイトとブラウザ(閲覧者)の間でやり取りされるデータを暗号化する仕組みです。SSL化されたサイトは、URLが http:// ではなく https:// から始まり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。
以前は、お問い合わせフォームや会員ログインページなど、個人情報を扱う一部のページだけをSSL化する運用も見られましたが、現在ではサイト内のすべてのページをSSL化する「常時SSL化」が一般的になっています。
常時SSL化が必要とされる理由
1. データの盗聴・改ざんを防ぐ
SSL化されていない通信は、第三者に内容を盗み見られたり、通信内容を書き換えられたりするリスクがあります。フォームに入力した個人情報などが、通信の途中で盗み取られる可能性を減らすために、暗号化は重要な対策です。
2. ブラウザ上での警告表示を避ける
主要なブラウザでは、SSL化されていないサイトのお問い合わせフォームなどにアクセスすると、「保護されていない通信」といった警告が表示されるようになっています。こうした警告は、閲覧者に不安を与え、サイトからの離脱や信頼低下につながりかねません。
3. 検索エンジンからの評価に関わる要素の一つとされている
SSL化は、検索エンジンが順位を決定する際に考慮する要素の一つとされています。SSL化そのものが順位を大きく左右するわけではありませんが、未対応であることが不利に働く可能性がある基本的な対応として、多くのサイトで実施されています。
常時SSL化の大まかな流れ
常時SSL化の作業は、大きく分けて次のようなステップで進みます。
1. SSL証明書を用意する
サーバー会社によっては、無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)を簡単な設定で発行できる場合が多く、多くのレンタルサーバーで標準的に対応されています。まずは契約しているサーバーの管理画面で、SSL証明書の設定状況を確認しましょう。
2. サーバー側でSSLを有効化する
サーバーの管理画面から、対象のドメインに対してSSLを有効にする設定を行います。手順はサーバー会社によって異なるため、契約中のサーバーのマニュアルを確認してください。
3. WordPressの設定を変更する
サーバー側でSSLが有効になったら、WordPress側でもサイトのURLを https:// に変更する必要があります。管理画面の「設定」→「一般」から、「WordPress アドレス」と「サイトアドレス」の項目を https:// から始まるURLに変更します。
4. サイト内のリンク・画像URLを一括で修正する
これが、常時SSL化の作業の中でも特に重要なポイントです。過去に投稿した記事内に http:// で始まる内部リンクや画像URLが残っていると、それらは正しくSSL化されないままになってしまいます。プラグインなどを使い、サイト内に残っている http:// のURLを https:// に一括で置き換える作業が必要です。
5. 常時SSL化のためのリダイレクト設定を行う
https:// のURLを直接設定しても、これまで使われていた http:// のURLに直接アクセスされた場合、そのままでは暗号化されていないページが表示されてしまうことがあります。http:// でアクセスされた場合に、自動的に https:// へ転送する(リダイレクトする)設定を行うことで、どちらのURLでアクセスされても常にSSL化された状態で表示されるようになります。
作業時に特に注意したいポイント
作業前に必ずバックアップを取得する
常時SSL化の作業は、サイト全体のURL構造に関わる変更です。作業中にトラブルが起きると、サイト全体が正しく表示されなくなる可能性もあるため、作業前にファイル・データベースの両方のバックアップを取得しておきましょう。
「混在コンテンツ」に注意する
SSL化したにもかかわらず、ページ内の一部の画像や外部スクリプトなどが http:// のまま読み込まれている状態を「混在コンテンツ(Mixed Content)」と呼びます。この状態になると、ブラウザによっては鍵マークが正しく表示されない、あるいは警告が出ることがあります。SSL化作業後は、主要なページを実際にブラウザで開き、鍵マークが正しく表示されているかを確認しましょう。
検索エンジンへの再登録・確認を行う
URLが http:// から https:// に変わることは、検索エンジンから見ると「別のURL」への変更として扱われます。Google Search Consoleなどのツールを利用している場合は、新しいURL(https://)のプロパティを追加し、正しく認識されているかを確認しておくと安心です。
外部サービスとの連携設定も見直す
アクセス解析ツールや、外部の予約システム・SNS連携などを利用している場合、それらの設定の中にも http:// のURLが指定されていることがあります。SSL化後は、こうした外部連携の設定にも https:// のURLが正しく反映されているか、あわせて確認しておきましょう。
常時SSL化のチェックリスト
- サーバー側でSSL証明書が有効になっているか
- WordPressの「一般設定」でURLが
https://になっているか - サイト内の内部リンク・画像URLが
https://に統一されているか http://からhttps://へのリダイレクトが機能しているか- 主要なページで、ブラウザの鍵マークが正しく表示されているか(混在コンテンツがないか)
- 検索エンジン向けのツール(Search Consoleなど)の設定を見直したか
まとめ
常時SSL化は、現在のWebサイト運用において基本的な対応の一つとなっています。
- SSL化により、通信の暗号化とブラウザ上の警告回避ができる
- 作業は「証明書の準備」「サーバー設定」「WordPress設定」「URLの一括置換」「リダイレクト設定」という流れで進む
- 作業前のバックアップと、作業後の混在コンテンツ確認が特に重要
まだ常時SSL化ができていないサイトを運用している場合は、優先度の高い対応の一つとして、早めの対応を検討することをおすすめします。
「常時SSL化の対応を相談したい」「作業自体を任せたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。