サーバー移行時に気をつけるべきポイント
「今のサーバーの契約更新が近づいている」「表示速度が遅く、もっと性能の良いサーバーに変えたい」「サイトリニューアルに合わせてサーバーも見直したい」——WordPressサイトを運用していると、こうした理由からサーバー移行を検討するタイミングが訪れます。
サーバー移行は、手順を誤るとサイトが一時的に表示されなくなる、メールが届かなくなる、検索順位が大きく落ちてしまうといったトラブルにつながりかねない、慎重な準備が必要な作業です。この記事では、サーバー移行を検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。
サーバー移行とは何をすることか
サーバー移行とは、これまで別の会社(またはプラン)のサーバーで公開していたWordPressサイトを、新しいサーバーに引っ越しさせる作業です。大きく分けて、以下の要素を新しいサーバーに移す必要があります。
- WordPress本体・テーマ・プラグインなどのファイル一式
- データベース(投稿内容、設定情報などが格納されている)
- ドメインの設定(独自ドメインを使っている場合、新サーバーを見るように向き先を変更)
- メール設定(サーバーでメールアカウントを運用している場合)
これらを正しい順序で移行し、最後にドメインの向き先を切り替えることで、閲覧者から見たサイトのURLは変わらないまま、裏側のサーバーだけが入れ替わる、という形になります。
移行前に確認・準備しておくべきこと
1. 現在の契約内容とデータを棚卸しする
まず、現在何が動いているのかを正確に把握することが出発点です。
- 現在契約しているサーバー会社・プラン内容
- 使用しているドメインの管理会社(サーバー会社とは別の場合もあります)
- 独自メールアドレスを利用しているか
- SSL証明書の契約状況(無料のものか、別途契約しているものか)
2. 移行先サーバーのスペック・仕様を確認する
移行先を選ぶ際は、単純な料金だけでなく、以下の点を確認しておくと移行後のトラブルを防げます。
- PHPのバージョン:現在のサイトが動作しているPHPバージョンに、移行先サーバーが対応しているか
- データベースの仕様:MySQLのバージョンなど
- ディスク容量:画像や動画を多く扱うサイトの場合、現在の使用容量が収まるか
- 独自SSLへの対応:無料SSL(Let’s Encryptなど)が使えるか
3. バックアップを取得する
移行作業の前には、必ず現在のサイトの完全なバックアップを取得してください。 万が一、移行作業中に何らかのトラブルが起きても、バックアップがあれば元の状態に戻すことができます。
バックアップには、ファイル一式とデータベースの両方が含まれている必要があります。
4. 移行のタイミングを検討する
サーバー移行には、ドメインの向き先が切り替わるまでの間、一時的にサイトの表示が不安定になる時間帯が発生することがあります。アクセスが少ない曜日・時間帯を選ぶなど、事業への影響が少ないタイミングを検討しておきましょう。
移行作業で特に注意すべきポイント
データベースの文字化けに注意する
データベースを移行する際、文字コードの設定が正しく引き継がれないと、日本語の投稿内容が文字化けしてしまうことがあります。移行後は、必ず投稿内容の表示を確認しましょう。
画像・アップロードファイルの移行漏れに注意する
WordPress本体のプログラムファイルだけを移すのではなく、これまでにアップロードした画像や資料などのメディアファイル一式も忘れずに移行する必要があります。件数が多いサイトほど、移行漏れが起きやすい部分です。
独自ドメインのメールアドレスへの影響
サーバーでメール機能(独自ドメインのメールアドレス)を利用している場合、サーバー移行に伴ってメールの設定も引き継ぐ必要があります。設定を誤ると、移行後にメールの送受信ができなくなるトラブルにつながるため、事前に必要な設定情報(メールアカウント一覧、パスワードなど)を整理しておきましょう。
DNS(ドメインの向き先)切り替えには時間差がある
ドメインの向き先を新サーバーに切り替える設定(DNS設定)を行っても、その情報がインターネット全体に反映されるまでには数時間から最大で数日程度かかる場合があります。この反映待ちの期間中は、閲覧者によって新旧どちらのサーバーが表示されるか異なる状態になることがあるため、この点を踏まえてスケジュールに余裕を持たせておくことが重要です。
移行後もしばらくは旧サーバーを残しておく
DNSの反映が完全に完了するまでの間に旧サーバーを解約してしまうと、まだ旧サーバーを参照している一部の閲覧者に対してサイトが表示されなくなってしまいます。新サーバーでの表示が問題なく安定していることを確認できるまでは、旧サーバーの契約をすぐに解約しないようにしましょう。
SEO評価への影響を最小限にするために
サーバー移行そのものは、URL(ドメイン)が変わらない限り、検索エンジンからの評価に直接影響するものではありません。ただし、移行作業の不備によって以下のような事態が起きると、結果的にSEO評価が下がってしまう可能性があります。
- 移行中の表示不安定によって、検索エンジンのクローラーが正常にページを認識できない期間ができてしまう
- 移行後にページの表示速度が悪化する(サーバースペックの見誤りなど)
- 移行時のミスでページが正しく表示されない状態が長期間続いてしまう
そのため、移行後は主要なページが正しく表示されているか、表示速度に問題がないかを一通り確認することをおすすめします。
移行後に確認すべきチェックリスト
- サイトが正しく表示されるか(トップページ・下層ページ・お問い合わせフォームなど)
- 画像が正しく表示されているか
- SSL(鍵マーク・https表示)が正しく機能しているか
- お問い合わせフォームからのメール送受信ができるか
- 管理画面へのログイン・投稿の保存ができるか
- 表示速度に問題がないか
まとめ
サーバー移行は、単にファイルとデータベースを移すだけでなく、ドメイン・メール・SSLなど複数の要素が絡み合う作業です。
- 移行前に現状を正確に棚卸しし、必ずバックアップを取得する
- 移行先サーバーの仕様(PHPバージョン等)を事前に確認する
- DNS反映には時間差があることを踏まえてスケジュールに余裕を持つ
- 移行後は旧サーバーをすぐに解約せず、表示の安定を確認する
事業への影響が大きい作業だからこそ、事前準備と確認体制を整えたうえで進めることが、トラブルのないサーバー移行につながります。
「サーバー移行やリニューアルに合わせた見直しを相談したい」「移行作業自体を任せたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。